はじめまして、京都の西大路七条の鍼灸整体院、なかやま鍼灸整体院の院長 仲山竜一郎です。
両手が動かしにくい
腕にしびれや鈍痛がある
握力が低下している
首をある角度に倒すと、腕への痛みやしびれが増強する
両足にしびれや違和感がある
なんてことはありませんか?
そうなると日常生活にも支障が出たり、思うように日常生活を送ることができないですよね。
両手が動かしにくく細かい作業ができなくて、更に両足にしびれや違和感がある場合は、頚椎ヘルニアや頚椎症からくる脊髄神経圧迫かもしれません。
もし、頚椎ヘルニアや頚椎症があり両足にしびれや違和感を感じている場合は、脊髄神経圧迫に対して施術することで改善していきます。
しかし、症状が似ている頚椎ヘルニアと頚椎症って何が違うのだろう?という疑問をお持ちの方もおられるかと思います。
今日は頚椎ヘルニアと頚椎症の違いについて
現役、整体師であり鍼灸師である私が、できるだけ具体的にご紹介していきたいと思います。
頚椎ヘルニアや頚椎症を改善するにあたり、参考にして頂けたら幸いです。
頚椎ヘルニアとは?
まず、頚椎は7つの首の骨が重なって成っています。その骨と骨の間に「椎間板」という中心部に「髄核」があり周りを「繊維輪」でおおわれているクッションのうようなものがあります。
その椎間板に何らかの負荷が加わり続けることで中にある髄核が繊維輪を破り出てくることで神経根や脊髄を圧迫し痛みや神経症状または脊髄症状を引き起こします
頚椎の4番-5番に発症することが多く、30代~50代の中高年に多いといわれています。
よく似た症状を呈する疾患
胸郭出口症候群、正中神経麻痺、尺骨神経麻痺などがあります。
頚椎ヘルニアは椎間板の中ある髄核が何らかの理由で飛び出し、神経を圧迫することで痛みやしびれといった症状があらわれます。
その圧迫される部位によって違いがあり、大きく2パターンに分かれます。
それは、神経根が圧迫されているのか?脊髄が圧迫されているのか?のどちらかで症状も経過も異なってきます。
神経根が圧迫されている場合の特徴
神経根が圧迫されている場合は、左右どちらか一側に強い痛みがでます。
腕や手への放散痛やしびれが強く、ひどい場合は夜間痛がひどく寝不足になることもあります。
どの高さの頚椎で神経圧迫を起こしているかによって、痛みやしびれの部位や症状も多少異なってきます。
脊髄神経が圧迫されている場合
脊髄神経が圧迫されている場合は、痛みはさほど感じませんが左右両側にしびれでたり、ボタンをとめたり外したりの動作など細かい運動(巧緻運動)ができにくくなります。
また、両足にしびれや違和感がでて、進行すると階段の昇り降りがしにくくなったり、足がもつれるなどの歩行障害や排便排尿障害、頭痛やめまいや吐き気などの症状を呈する場合もあります。
進行が速く、数日から数週間で悪化していくのも特徴の一つです。
この頚髄症が生じる疾患として、頚椎ヘルニア以外に頚椎脊柱管狭窄症や後縦靭帯骨化症などがあります。
頚椎症とは?
頚椎症も頚椎ヘルニアと同様に神経根が圧迫されている場合と脊髄が圧迫されている場合があります。
加齢に伴い、椎骨や椎間板の変性・靭帯の肥厚・神経根や脊髄の圧迫により頚肩腕~手に痛みやしびれといった症状を呈する疾患で、障害される部位により
頚椎症性神経根症
頚椎症性脊髄症
両方が同時に障害される
があります。
加齢や外傷、交通事故で発症することもありますが、パソコンなどの長時間同じ姿勢を毎日繰り返すなどの日常の動作の習慣や癖によるところが大きな要因となっています。
ジェットコースターなど頚椎に負担のかかることも要因になることもあります。
神経根が圧迫されている場合の症状と脊髄が圧迫されている場合の症状には違いがあります。
頚椎症性神経根症の症状
・頚を後ろに倒すと痛みしびれが増強する
・頚部や肩のこり感、圧痛、
・肩甲骨の内側のこりや痛み
・頚肩から腕や手までの痛みやしびれ
・筋力低下
ひどくなると感覚異常や知覚障害などの症状もおこります。
主に片側に症状があらわれます。
頚椎症性脊髄症の症状
・頚を前や後ろに倒すと痛みやしびれが増強する
・頚の痛み
・頚肩から腕や手までの痛みやしびれ
・歩行困難や力が入りにくいなどの運動障害
・四肢の感覚異常
・膀胱直腸障害
・便秘、排尿障害、めまい
更に悪化すると、
・手の筋肉の萎縮
・手指の変形
・手指の冷感
・発汗異常
などの症状もきたします。
また頚椎の高さによりしびれが出る場所が違います。
頚椎4ー5番の高さ 肩周り
頚椎5-6番の高さ 腕~母指、示指
頚椎6-7番の高さ 人差し指、中指
頚椎7-胸椎1番の高さ 薬指、小指
頚椎ヘルニアと頚椎症の症状から見る重症度
頚椎ヘルニアや頚椎症は神経症状が出るために、重症度によって様々な症状を呈します。
初期の段階
肩こり・首や背中の痛み・胸の痛み・首や肩の鈍痛など、主に首や肩に症状が現れます。
また、動作によっては腕や手に放散痛が走るなどの神経症状を呈する場合もあります。
中期の段階
腕への放散痛やしびれ、肩から腕への鈍痛や手首の痛み、握力の低下、腕の筋肉の萎縮、鈍痛で夜も眠れないなどの症状が現れます。
夜間痛が出ている場合は、神経圧迫もかなり進んできている状態といえます。
後期の段階
更に、症状が進むと首や肩や腕の症状に加え、頭痛や後頭部の痛み、目の奥の痛み、耳鳴りや難聴、めまい、ふらつきなどの症状が現れます。
どこの頚椎の椎間板が圧迫されているか?によっても症状の出方に違いがありますが、頚椎ヘルニアや頚椎症の症状が長引いた結果、筋肉や骨格のバランスが崩れてしまい、その関連痛として頭痛やめまいなどの症状が現れている場合もあるので、一概に頚椎ヘルニアが進行しているとは言えませんが、いずれにせよ状態としては早急に適切な治療が必要だと言えます。
末期の段階
症状がかなり進行すると、下半身にまで症状が現れてきます。
足のしびれや鈍痛、足の筋肉の張り感、歩行障害、排便排尿障害などの症状が現れてきます。
首から離れているので、頚椎ヘルニアや頚椎症とは関係が無いように思いますが、進行すると足の方にまで影響してきます。
頚椎ヘルニアや頚椎症があり尚且つ頭痛も伴ってくる場合は、元々頭痛持ちだった場合を除き、頚椎ヘルニア・頚椎症が悪化しているといえます。
頚椎ヘルニアと頚椎症の違い
頚椎ヘルニアと頚椎症の違いは、椎間板が圧迫されて中から髄核が飛び出し神経症状を起こしているか?椎骨や椎間板の変性、靭帯の肥厚により神経症状を起こしているか?の違いです。
どちらも神経圧迫を起こしているのですが、圧迫している要因に違いがあります。
頚椎ヘルニア
椎間板が圧迫されて中から髄核が飛び出し、神経圧迫を起こします。
神経根を圧迫している場合と脊髄を圧迫している場合があり、症状に違いがあります。
頚椎症
椎骨や椎間板の変性、靭帯の肥厚により神経圧迫を起こします。
頚椎ヘルニアと同じく、神経根を圧迫している場合と脊髄を圧迫している場合があり、症状に違いがあります。
頚椎ヘルニアと頚椎症の検査法
頚椎ヘルニアの診断は病院での画像初見が主になります。
・X線
・脊髄造影
・CTスキャン
・MRI
などの画像初見で頚椎ヘルニアか頚椎症かどうか判断されますが、MRI検査が最も細かく判断できるので、頚椎ヘルニアや頚椎症の場合はMRI検査が必須と言えます。
頚椎ヘルニアと頚椎症の改善法
頚椎ヘルニア
頚椎ヘルニアの治療法は、軽度の場合は保存療法や理学療法で牽引療法、温熱療法、電気療法などがおこなわれます。
他には、肩や腕へのしびれや鈍痛などがひどい場合は、ブロック注射(星状神経ブロック)やレーザー椎間板減圧術(PLDD)などがおこなわれる場合もあります
重度になってくると、内視鏡頚椎椎間板ヘルニア摘出術(PECD)などの手術療法がおこなわれます。
頚椎症
頚椎症の治療法は、頸椎カラーなどの装具療法、消炎鎮痛剤や筋弛緩剤、神経障害性疼痛治療薬などの薬物療法、牽引療法や温熱療法、電気療法などがおこなわれます。
重症度の高い場合は、椎弓形成術や前方除圧固定術などの手術療法がおこなわれます。
頚椎ヘルニアも頚椎症もかなり症状が進行し、排便排尿障害や著しい筋力の低下による歩行困難がある場合は、手術も視野に入れて考えた方が良いでしょう。
しかし、それ以外の状態であれば手術以外の方法で改善する可能性も十分にあります。
また、鍼や整体などでも頚椎ヘルニアや頚椎症に対してかなりの効果を上げている施術院もありますが、病院での手術同様、各先生の技術レベルで大きく差があるのも事実です。
追伸
頚椎ヘルニアや頚椎症を改善するためには、頚椎になぜ負荷がかかってしまったのか?
頚椎に負荷がかかってしまうような身体のバランスになってしまっているのではないか?
ということを考えることが改善への道となります。
特に頚髄神経を圧迫している状態で両足にしびれや違和感まで出ている方は、手術も考えられるかと思いますが、手術以外の方法(民間療法である鍼や整体)でも改善への導くことができる可能性も十分にあります。
ただし、排便排尿障害や歩行障害が出ている場合は手術も視野に入れて考えた方が良いでしょう。
当院でも、頚椎ヘルニアや頚椎症のお悩みに対応しています。ご相談受け付けておりますので、是非お声がけください。
なかやま鍼灸整体院 院長 仲山竜一郎
資格:鍼師、灸師、柔道整復師
修得:整体術、鍼灸、上部頚椎、カイロプラクティック、オステオパシーなど
京都で鍼灸整体院をさせてもらっています。